「セブンプレミアム　蒙古タンメン中本北極ブラック」のスープはまずはオイルを入れずに飲め！？

　皆さんは、蒙古タンメン中本のカップ麺、すなわち、「セブンプレミアム　蒙古タンメン中本」をご存知だろうか。
　まず、カップ麺ではない”蒙古タンメン中本”とは何かについて語ると、蒙古の人が寒冷地で食べるかもしれないという想像によって”中国料理中本”の店主、中本正氏が生み出した”蒙古タンメン”を、同店の閉店の際にどうしても引き継ぎたいという強い思いを持った白根誠氏が継承したのが”蒙古タンメン中本”だ。自分も東京に住んでいたとき、御徒町店や川越店に行ったことがある。
　そしてこの魅力的な味をカップラーメンにしたいと、日清食品、セブンイレブン、そして蒙古タンメン中本の三者が一体となってセブンイレブン限定の新商品の開発が始まった。そして生まれた究極のカップ麺が、「セブンプレミアム　蒙古タンメン中本」だ。

　このカップ麺の素晴らしい点は３つある。まず１つ目が、安い。セブンの店頭で220円程度で購入可能だ(2019/2/26現在)。2つ目が、具材が豊富。豆腐やキクラゲ、キャベツなどの具材が食欲を満たす。そして3つ目が、辛い。単にお湯を注ぐだけでも結構辛いのだが、フタについている辛味オイルを入れることによってその辛さは留まるところを知らなくなる。しかし、その辛さの中にも思わずスープを飲み干したくなるような旨みが確実に潜んでいるのだ。

　そんなこんなで、自分はかれこれ7年ほど前からセブンイレブンの中本のカップ麺を半月に一回は買って食べているのだが、今回新商品が発売された。それも、今までの「汁なし麻辛麺」や「旨辛焼そば」のような番外編的商品ではなく、「セブンプレミアム　蒙古タンメン中本」と同形状のカップに入った正統な期間限定商品、その名も「セブンプレミアム　蒙古タンメン中本北極ブラック」である。
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1902/22/news049.html
　普通の中本カップ麺の色味は赤色なのだが、この北極ブラックは黒。北極ブラックはカップに記されたフレーズも、”食欲爆走　焦がしニンニク”、”黒い激辛味噌”となっており、辛さというスカラーは同じでも風味というベクトルの向きが異なっていることが分かる。

　セブンの店頭でこの商品を知った私はすぐさま家に買って帰った訳だが、蓋を開けると通常の中本カップ麺との差異に驚く。豆腐とキャベツの姿が無い代わりに、唐辛子やガーリック、そぼろなどの具材が見える。キクラゲについては健在だ。この時点で、お湯を入れるまでもなく強烈な風味が食欲を誘ってくる。「あ、これお湯入れたら絶対うまいやつだ」というのがこの時点で分かるのはそうそう無い。
さて、さっそくお湯入れだ。自分は麺を割りばしでほぐしながら麺が柔らかくなるのを待つ派なので、今回もお湯をフタを半分開けながら麺をまぜていた訳だが……、す、スープの香りがヤバい！これは麺の出来上がりを待っていられない！そう思った私はカップに口をつけた。なお、この北極ブラックにも”焦がしニンニクオイル”というオイルが付いており、食べる直前に入れることになっているのだが、それも入れていないため「北極ブラック」としては未完成も未完成の状態。しかし……
　う、美味い！　何だこのスープの完成度は……220円もせず買えるカップ麺のスープの、しかもまだ調味オイルを入れていない段階のスープのクオリティがこんなに高くて良いのか！？という感じ。刻まれた唐辛子とガーリック、そして粉末として最初から麺にかけられていた黒味噌が、お湯を注ぐことで混然一体となって生まれる絶妙なハーモニー、、こ、、これは、、、調味オイルなくてもこれだけでスープの完成度MAXですよ……。
　そうこうしているうちに麺の硬さが柔らかくなってきたので、蓋を完全に剥がして麺を食べ始めることに。美味い、めっちゃ美味い……。しかし、3口目くらいで気付く。「スープ単体の完成度は確かにMAXだが、麺と一緒に食べると何か物足りない……。スープ単体としての完成度が高すぎるがゆえに、麺と一緒に口に運んだときのパンチが足らない……」
　そこで目に入ったのは、一旦置いておいてしまっていた”焦がしニンニクオイル”。　ならば、と全部入れてみると……辛い！！めっちゃ辛い！！そして箸が進む進む！！　やはり、カップ麺の油揚げ麺に対抗するにはこの辛さがなければ……ということなのだな、と理解した。しかし、スープ単体では辛すぎて飲みにくい、という一方を得るには一方を失わなければならないという結果に……。そして麺、具材を完食。

　いかがだっただろうか。もしこの文章を読んで中本カップ麺ワールドに興味を持ったら、ぜひ中本のカップ麺を買ってみて欲しい。特に、「セブンプレミアム　蒙古タンメン中本北極ブラック」の方は期間限定だからなるべくすぐに。そしてぜひ、オイルを入れる前に、そのまま少しスープを味わってみてほしい。今までのカップ麺のスープの常識を超える味がそこに広がっているはずだ。