大学院受験、編入、再受験…… 第1志望の大学へのリベンジのしかた
スポンサーリンク
春休みなので連続更新です! 今回の記事は、医学科・再受験生限定、というよりも、全ての学部の高校生・浪人生向けの記事となっています。
受験では「併願校」というものが往々にして存在し、それに伴って「第1志望とそれ以外」の差も出てくると思います……。そこで今回は、もし「第1志望でない大学」に進学した場合、後で「第1志望の大学(および大学院)」に入るにはどのような方法があるか、まとめてみました。
その方法は基本的には3つで、
・大学院受験
・編入
・再受験
です。以下、それぞれについて解説していきます。
(この記事は2019年3月9日現在の情報を元にして書いたものですが、自分の主観が入っています。また内容の正確性は保証しません。記事を読んでからの判断・行動は自己責任でお願いします)
大学院受験
合格した大学を卒業し、大学院で第1志望だった大学を受ける方法です。
もしかしたら、高校生・浪人生には「大学院」というものに馴染みがないかもしれませんが、簡単にいうと「大学を卒業した後に進学する、研究を中心にやるところ」です。
大学の学部とある程度対応関係があり、例えば、東京大学だったら医学部の上に「医学系研究科」、理学部の上に「理学系研究科」「情報理工学系研究科」「新領域創生科学研究科」、工学部の上に「工学系研究科」「情報理工学系研究科」「新領域創生科学研究科」があり、教員も学部と兼任で大学院での指導も行なっているケースがほとんどです。ここでの例は理系の一部の学部を挙げましたが、もちろんほかの理系学部や文系学部の上にもだいたい大学院があります。
この大学院にも入学試験があり、それに合格すれば院から第1志望だった大学に合流できます。学部の活動の中心は、卒業論文を除けば研究というよりはやはり「講義と試験と実習」なので、それらを学部のうちに第1志望の大学のレベルまで高めておけば大学院からの「研究」に十分合流できます。
ただし、やはり大学のうちからその大学である人に対して不利な点は多少あり、
①大学院の入試問題はその大学の教員が作っているケースがほとんどであるため、外部の大学を受験する場合、自分の大学の講義の内容が大学院入試問題にあまり対応しておらず、試験対策として自学しなければならない量が多くなる
②内部生は大学・大学院で同じ研究室で研究を行い、学部と大学院の通しでまとまった成果を上げる、という選択肢が取れるが、外部生は大学院からの時間のみで成果を上げなければならない
③評判の良い研究室、あまり良くない研究室の差というのはどうしても生じてきてしまうもので、内部生はその情報を知った上で出願する研究室を決められるが、外部生からはその情報が見えにくい。特に、大学院は修了できるかどうかについて指導教員が大きな力を持つため、教員と相性が合わない場合は修了できない可能性も、、
などです。これらのデメリットを大きいと捉えるか、そこまでではないと捉えるかは人それぞれですね。大学院受験は再受験より時間のロスが少なく、編入よりは枠が狭くないところがメリットとなります。
なお、学部時代が医学科以外だったのに大学院から医学系研究科に行っても医師免許は取れないので注意!
同様に、他の”資格を取れる系の学部”の上にある研究科もその研究科だけでは取れないことがほとんどです。資格目的の場合は編入か再受験を選ぶことになるでしょう(学部で一定数の指定科目を取得していた場合、一部の大学院で教員免許が取れるケースもあるように、ごく一部だけ例外もあるので、気になる場合は自分で調べてみてね)。
編入
合格した大学で単位を取りつつ(あるいは卒業した後に)、途中から他の大学に入る方法です。再受験より時間のロスが少なく、大学院より早く第1志望だった大学に行けて良いことづくめ……のようですが、成功させる難易度は高めです。理由としては、以下のようなことが挙げられます。
①そもそも実施している大学・学部が少ない。また、実施していても条件が厳しい
例えば、東京大学は「他大学の途中年次に在籍する者に対する本学への編入学は実施しておりません。」と明言しています。
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e06.html
(※一応、既に他大学を卒業した人が行う「学士入学」については、「修業年限4年以上の大学の学部を卒業した者に対し、各学部で選考の上、後期課程への入学を許可することができることとなっております。ただし、学部によっては、他大学卒業者の入学を認めていないところもあります。」としています。が、このように受け入れ基準が不明瞭です)
京都大学は3学部で実施していますが、工学部は高等専門学校からのみ対象なので実質法学部と経済学部の2学部のみです。(高専が何か分からなかったらGoogleとかで検索してみてね。ちなみに高専は高校という意味ではありません)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/admissions/undergrad/hennyugaku_gakushi.html
(※こちらも、他大学からの学士入学は文学部、教育学部、医学部人間健康科学科が行なっているようですが、やはりこのように学部が限られます)
他の大学も、実施していたりしなかったり、実施していても高専からしか受け入れていなかったりと非常に枠がまちまちです。
また、実施しているところも「大学○年次以上であり、□単位以上取得していること(うち●単位は△△系統の単位であることとする)」や、「大学を卒業・卒業見込みの者に限る」と書いてあったりするので、条件を入念に読み込む必要があります。
②枠が再受験・大学院受験に対して少ないため、倍率が高くなりやすい
編入は学部過程の途中から受け入れるという性質上、枠が少ないです。(大学院はだいたいのところは内部生にも入試を再度受けさせるため、枠数が大学入試くらい多いことが多い)
③試験形式が再受験・大学院受験に比べて読みにくい
これも途中から受け入れるという性質上、試験範囲や形式が独特であることが多いです。
④カリキュラムの性質上、編入すると留年しないと単位を取りきれない大学もある
医学科の編入ではあまりないと思いますが、他の学部だとたまに生じる現象らしいです。
奨学金は留年すると基本的に廃止か停止になる可能性があるので、奨学金を使うなら
・編入しても留年しなくて済むカリキュラムか
・編入したら1度は必ず留年するカリキュラムなら、奨学金が止まらないような措置を講じてくれるのか
等々は事前に大学や奨学金をくれている元に入念に確認する必要があります。
総じて、成功した時のリターンは大きめですが、成功させる難易度が再受験・大学院入試に比べて高いと言えるでしょう。
再受験
編入や大学院入試に対して時間や金銭的なロスが生じてしまいますが、試験形式が読みやすいことと、大学受験してきた知識がそのまま入学試験に活かせるのがメリットです。大学受験にある程度の自信がある場合や、資格が取りたいが編入対策が困難である状況に適した選択肢です。ただ、センター試験は2020年1月に終了し、2021年から大学入学共通テストに切り替わるため、出願方法や試験日、出題形式の変化などには気を配りましょう。
なお、再受験の派生として仮面浪人という選択肢があります。保険をかけられるのは強いメリットであるものの、大学内での人間構築に時間を割くと受験勉強の時間が減る一方で、受験勉強に集中しすぎると仮面浪人に失敗した場合の単位取得・人間関係の再構築が大変という問題があり、バランスの取り方が難しいという欠点も抱えています。
いかがでしたでしょうか。第1志望以外の大学に受かった場合、その大学に行くかどうかを決める為には、このように入学後どのような選択肢があるかどうか検討するのが良いと思います。
もちろん、合格した大学でキャンパスライフをenjoyするのもアリ、というかその方が一般的ですし、変に引きずらない方が就活の面接とかでも強いんじゃないかな、と思います。
いずれにせよ悔いのない選択ができることを祈っています。