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文科省の資料では東大理3の男女合格”率”はほぼ同率、という事実を知って、改めて考えたこと


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 しーちきんさんのblog『孤軍奮闘。再受験のち医大生。』の

「【全国医学部】再受験生・多浪生の合格者割合と合格率格差をランキングにしてみた」

http://www.seachicken-med.net/article/461640647.html

で、9月4日に文科省のWebページで公開された「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査の結果速報について」にリンクが張られています。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/09/10/1409128_002_1.pdf

(このpdfの文部科学省のサイトにおけるリンク元はこちらhttp://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1409128.htmですね)

  恥ずかしながら、前回の記事群を作成した時点ではこの資料が公開されていることを知りませんでした(作成日がそれぞれ9月5日、7日だったのに)……、申し訳ありません。

igkb.hatenablog.com

igkb.hatenablog.com

 そのため、以前書いた記事とデータが合致するか注意しながらデータを見ることにしました。 

  そこで、私はまず東大理3の合格率の男女比に目を向けました。なぜかというと、自分は医学部入試の公正さを図る際には東大理3が基準になり得ると思うためです。これは東大理3が、入試科目に面接も小論文も設けなかった時期があり、国数英理の採点が公正に行われているという前提を置くなら、かつて最も点数の上では公正に入試が行われていた医学部医学科(厳密には教養学部ですが)だったからです。

http://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/2145

そして、その東大理3の男女別の合格者数・合格率はこちら。

〇合格者数
H30年度:男性84人 女性16人
H29年度:男性80人 女性21人
H28年度:男性86人 女性14人
H27年度:男性84人 女性16人
H26年度:男性83人 女性17人
H25年度:男性84人 女性17人

〇合格率

 

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 データは「合格者数は男子がかなり多い」が、「男女の合格率の平均はほぼ均等」で、「男子の合格率の方が高い年も女子の合格率の方が高い年も両方存在した」ことを示しています。これを元に、過去記事の内容を一部補足・訂正していきます。

 まず、「東大・京大の理系学部(医学部以外の基本的に面接のない学部)合格者も男子の方がかなり多い(このデータはこのblogの9月5日の記事参照)」→「現状では理系選択者の中で難関大に受かる力を持つ学生は女子より男子の方が多いと考えられる」については妥当な推論だと思います。そのため、医学科の「合格者」が男子の方が多くなるのは、やはりどれだけ公正に入試を行っても現在の日本では基本的にそうなるのではないでしょうか。実際、東京大学理科3類も、合格者としては男子の方がかなり多いです。

 しかし、男子の「合格率」も同様に高くなるだろう、というのは誤りでした。データは、少なくとも東京大学理科3類については、合格率としては男女ほぼ同じであることを示しています。

 では、他の大学で男女の合格率に偏りがあると公正でないかというと、やはりそうは言いきれません。東大の男女の合格率の均等性は、全国から男女ともに最優秀層が集まってくる結果とも言えるでしょう。他の医学部は基本的に地元からの進学者が多いため、その大学の地元の高校がどのような性質を持っているかが男女の合格率に影響を与えてくると思います。「地元の偏差値トップ高校が男子校かどうか」等、地域性を考えて男女の合格率の違いを検討していく必要があるでしょう。その辺りまで考えて、男女の合格率の妥当性を考えるのは非常に難しい……

 現在でも私は国公立大学の入試は男女間という点において公正である所がほとんどだと信じていますが、以前の記事を書いた直後ほど胸を張って主張できるかというと微妙です(といいつつ前の記事作成時点で最初に「主観なので責任とれません」と一文添えてあって元々言うほど胸を張ってなかったじゃんと言う感じですが)

 なので、気になる方は文部科学省の発表した大学別の男女合格率をじっと見て、納得の行く合格率推移の仕方をしている大学を選ぶべきなのだと思います。

 しかし、大体の大学で男女の合格率の差より受験者の年齢の合格率の差の方がかなり大きいので、(そもそも男女による評価差や年齢による評価差が存在するかは置いておいて、もし両方存在したら)年齢による評価の影響よりは、男女間の差は存在してもだいぶ小さいと言えるでしょう。

 そのため、かなり理不尽な論調になってしまうとは思うのですが、私個人としては「再受験生だって大学に受かるのだから、不安に負けるな、頑張れ!!」と言いたいです(もちろん、「なんで女子は微妙な疑念を持って入試に臨まにゃならんのだ」、というのは本当そうだと思うし、この疑念は後々絶対解消されるべきだと思っています。でも、受かってやる!!という気持ちで行った方が結果として上手く行く場合が多いはず)。